DLPFCの意味

痛みのメカニズムを知ろう!!
あまり聞きなれない言葉ですよね。でも、痛みを理解するうえで非常に重要になりますので 分かりやすく説明していきますね。

”DLPFC”とは、Dorsolateral prefrontal cortexの略で、背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)と呼ばれ、頭の左前の方にあります。

どんな働きをするのかと言うと DLPFCは 痛みの状態を抑制するために、ドーパミンと呼ばれる脳内物質を大量に分泌させるよう指示を出して、『痛みの回路を鎮める・痛みを和らげる活動』をしているのです。これをドーパミンシステムと言います。

海外で進む脳機能の研究調査 カナダの大学が慢性的な腰痛を持っている人の脳にあるDLPFCの体積は、健康な人に比べ約半分くらいになっており、痛みが強く長引いている人ほど、DLPFCの活動自体も衰えていることが分かりました。

痛みに屈して 痛みに支配されている脳は DLPFCの痛みの鎮静活動が悪くなって、普段の何気ない痛みをも増長し、激痛に感じ取ってしまいます。
だから、痛みを長期間抱えていている方 不安や恐怖を長期間抱えている方は このDLPFCが損傷し痛みが慢性化してしまうのです。

なので このシステムを正常化するために 腰痛・ぎっくり腰のページで述べたように認知行動療法 があるのです。

また、うつ病患者の場合、脳の状態は、以下のようなことが報告されています。
1)DLPFCの活動が弱り判断力や意欲が低下する
2)扁桃体が過剰に活動、不安・恐怖・悲しみが止まらなくなる

脳は 怒り 悲しみ 不安 恐怖 等の強いストレス 長期のネガティブ思考に弱く傷つきやすい。
脳は 喜び 楽しみ 笑いポジティブな思考で活性化する。
昨今 問題となる高齢者の認知症にも同様のことが言えます。
痛み止め薬の長期服用は悪化をうみます。英語ですが字幕入りの2分の動画です。

脳の活性化つまり血液量の変化を見てみると、健康な人の場合は言葉を考えると脳がすぐに活発になり血液量は増えますが、うつ病患者の場合、DLPFCの働きが悪いため血液量がほとんど増えないのです。
双極性障害(そううつ病)患者の場合、血液量はゆっくり上昇します。統合失調症患者の場合、血液量は不規則に上下するのが特徴とも言われています。

では、DLPFCを正常に保つにはどうしたらいいのでしょうか?ひとつは、先に述べた認知行動療法

もう一つの解決法とは、「物事を先延ばししない。やるべきことを直ぐにやってしまう。」という前向きの姿勢と思考です。
鬱 統合失調症の精神疾患の患者は まず自らが自分の病気に向き合い、前向きに反省し 食を変え 環境を変え 思考を変え 自らが直そうとする気持ちが大切です。
どんな高価な薬を飲もうとも この前向きに『先延ばしせずに直ぐにやってしまおう!』の思考がなければ改善は望めません。

DLPFCと痛みと感情と思考との深い関係少しはご理解いただけましたか??




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