手の痺れ 橈骨神経麻痺

野木整骨院 院長の沼部です。

前回の動画で 何の検査法もない我々治療家は痺れで神経障害を鑑別するのではなく  整形外科学テストを用い運動障害を指標にしなければならない事は分かって頂けた思います。

また、巧緻障害があるのに痺れのみを追いかければ訴訟になるのは確実です。 大きく分けて

上肢の神経障害は

・橈骨神経麻痺

・正中神経麻痺

・尺骨神経麻痺  があり容態も違い鑑別も容易ですね。

しかし、鑑別を怠ると 患者さんに不安を与えるし治療期間にも 大きく影響しますから痺れ=神経障害と短絡的な治療などなさいませんように。

さて、今回は橈骨神経麻痺 良く聞くハネムーン症候ですね。 好きな人を腕枕して眠ったりすると神経を圧迫し起きるあれです(笑)

この橈骨神経の麻痺では手の甲が痺れますが、多くの場合感覚の障害より筋肉の麻痺が主体となり運動機能の明確な神経障害が必ず出ます。 前腕の手の甲側で指を伸ばしたり手首を反らしたりする筋肉の麻痺が必ず起こります。 添付写真のような下垂手が観察できます。 手首を反らす筋肉がうまく働かないため、指を曲げる筋肉は麻痺していないのに、ものをうまく握ることができなくなります。 ただの痺れだけだと血流障害なので直ぐに緩解しますのでお間違いのないように。

下垂手 手首を背屈することができません。

35歳女性の下垂手

48歳男性の下垂手

こぶし兆候

いずれも背屈不可で 握らせるとこぶし兆候と言う強制掌屈になります。



橈骨神経は、特殊な走行をして頸椎から鎖骨の下 わきの下を通過し 上腕骨の外側をぐるっと回って、外側から、前腕の筋肉(伸筋)に行きます。 また、この神経は、手の甲の皮膚の感覚を伝えます。 神経圧迫は、この上腕骨をぐるっとまわるところで起こりやすいので どうしても腕枕をしたい方は 手の甲を返して行ってください(笑) この部分は 恋人の頭を腕枕し重さで神経が圧迫され障害が起きますが 自重によっても起きますし 神経の上にある上腕三頭筋と上腕骨の間で圧迫されたり 腫瘍などの因子で起きることもあります。

危険兆候

痺れや痛みで来られる方本当に多いですよね。                         しかし、現場の医師は痺れ=神経障害でとらえオペをされるドクターを私の周りではいません。

ですので痺れの症状のみを追いかけることなく 運動障害 巧緻障害を充分に観察してください。

1、巧緻障害などの運動障害

2、発生機序がはっきりしないもの

3、頭痛を発症したもの

4、もしその様な方が 整形外科経由出来たら上腕周径 前腕周径の筋量の衰えを観察し異常があれば セカンドオピニオンへ廻してください。

経過が不良と思ったら 整形外科医の診察を仰いでください。

私でさえ 運動障害あるしびれや痛みの患者さんを単独で診ること少ないです。 病変が隠れている症例もあり本当に様々です。

一般の方へ順調に回復しても 3ヶ月 前後の期間を要しますので 運動障害を伴うしびれや痛みは定期的に整形外科の診断を仰いだ方が賢明かもしれません。

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