【画像診断より大切なもの】
野木整骨院 院長の沼部です。
痛みがあるとレントゲン・CT・MRIの画像診断を信じ込み 検査が大好きな日本人 本当に多いですね。
痛みがあり MRIでヘルニアがありますね。 あーーーヘルニアがあるのか!だから痛いのか!!
悲しくもほぼこのような思考ではないでしょうか?(≧▽≦)
しかし、画像診断だけをとっても MRIを含め100%の診断が可能な機械はありません。 どんなに高精度な診断機器も直接目で見ることに勝るものではありません。
画像のみならず 様々な所見も軸に一流の整形外科医は観察しています。
お世話になった前職の大きな整形外科での話です。
ある時 70代の男性が右肩の違和感で来院。
腫れが確認でき 単純XPで右上腕骨近位端から骨幹部に石灰化を伴う骨透亮性の溶解性病変を確認。 MRI画像で T1WI・T2WIともに低信号領域 T2WI Fsat(脂肪抑制)でhigh law(高・低信号)な不均一な斑模様のMixな信号域を確認。
画像上では 悪性腫瘍特有の輝度となります。
前職の整形外科理事長から
「この画像見てどう思う?」
『正直 T1・T2ともに低輝度 脂肪抑制でMixな描写で悪性腫瘍を疑いますが 兆候は明らかなノーマルなので理解に苦しみますね。バイオプシー(生研)結果を待ってからでないと分かりません。』
当然 がんセンターに廻しました。
画像所見では陽性 しかし、骨癌特有の兆候は見られない。 癌センターの名誉院長まで駆り出される上へ下への症例です。
がんセンターからの回答は
『画像上解釈困難な症例ではあるが、needle biopsy(針生検) open biopsy(開放生検)ともに病変は確認できない。』
との 診断結果。
良性の骨腫瘍が なんだかの原因で 骨梁を破壊し血液が髄内に侵入したという事です。
画像は大切です。しかし、画像のみで全てを把握することなどできません。 一般の方も 腰痛や足の痺れや痛みがあり MRIでヘルニアや脊椎管狭窄症を指摘されても鵜呑みにはなさらないでください。 しかし、ヘルニアや脊椎管狭窄症の症状が無いわけでもありませんので誤解なさらないでください。
医療過誤に巻き込まれない注意点。
1、診断ができないのは当然ですが 自己判断せず おかしい?と思ったらドクターの判断を仰ぐ。
2、前医の診断を鵜呑みにせず経過観察を怠らない。
この様な珍しい症例 少しは勉強になるでしょうか??
医療機関でしかできない画像や検査は大切です。
しかし、 私たちでもできる 整形外科的検査・赤旗兆候の確認も凄く大切と言う事 少しはお分かりいただけましたか?
鑑別と評価は各症例の赤旗兆候の見分ける手立てとも言えまが、 赤旗兆候の判断の主軸となるのも鑑別と評価とも言えますね。
手技にあぐらをかくことなく
鑑別と評価も勉強しましょうね。
いいね!が投稿者の励みになります。いいねしてね(笑)(笑)